2012年10月22日月曜日

BenQ FP931 修理2


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取り敢えず、BenQ社製の電源回路で使える部品たちを取り出してみる。

ばら売りをしてくれるところは本当にありがたい。手間の割に儲けが全く無いのだ。
秋月電子とヤフオクの個人出品の方に感謝。
また、 ヤフオクの個人出品の方 (修理代行もされている時もある) には何度かお世話になっている。
とても親切で丁寧な方だ。需要の低かったり、稀少なパーツのばら売りは本当にありがたい。




















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部品を交換中。
左の半田ごては太洋電機産業のガス式半田ごて(GP-510SET)だ。
屋外や数分、数十分のレベルならこちらが良い。
ケーブルを必要とせず、携帯性に優れ、出力温度調節も可能だ。
ただし、コテ先の種類(別売り)は多いが、高い上に、電気式のような共通規格はない。
屋内で数時間掛ける場合は電気式を用いたい。



















4Aヒューズと10V1000μF電解コンデンサを交換したところ。















手作業で取り付けられた部分や、熱を持つ部分の半田の盛り直しを行う。忘れられやすいが心底重要。
半田浮きなども確認しよう。

ここで通電し点灯をさせたが、インバータ回路がショートしてしまった。
モニターが点灯せず、しかしよく見ると薄ぼんやりと描画されているという蛍光管が付かない状態になる。

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この部分だ。左右がトランジスタ(2SC5707)、中央が0.22μFフイルムコンデンサーとなる。
そもそも危ない部分は絶縁に焦げが付着している。
画像の何カ所かは黒くなっている。


















非常に凄く熱に弱いため、ろう付けする際にはクリップなどで熱容量を増やしてやろう。
瞬間的にできるならば、必要はない。



















で、かなり見分けが付きにくいのだが、フイルムコンデンサー死んでいる場合、僅かに膨らんでいる。
手当たり次第テスターで測ることも良いが、電気容量が低下していたり、うっすら膨らんでいる場合は寿命間近なので交換しよう。

上段と中段のトランジスタはさらに見分けが付きにくい。放熱金属の表面が溶けたように僅かにでこぼこになっている。
こちらもテスターを使うと良い。エミッタ、コレクタ、ベースどこに当てても抵抗はあるが、ショートしている場合は数オームしかないので分かり易い。

下段は比較用の新品だが、画像からじゃ見えない。余り意味が無い。




















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お勤めご苦労な部品たち。










ここまで、再度通電をさせてみる。
問題なく映った。
画像の画面は分かりにくいがメモ帳を開いている。カーソルが映っているが、ゴミや不具合に見える。ドット抜けやら液晶もれなどは起こしていないことを確認。








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最後に、コンバータ回路において壊れやすい部分のおさらい























FP931,FP937s+,FP71G,他にもBenQ社製品でのモニター(2004から08年前後)のインバータに類似問題点のものも多々あるのだろうが、下記に基板の刻印と併せたパーツ名称の記載をしておく。

g ・・・・・・・・・・・・・ 電解コンデンサ系統
(C601,C611C701,C702 ,C703 ,C704,C705,C706,C707,C708,C709,C712,C811, C812, C813 C818)
 C709, C712(10V,1000μF)は壊れやすい。日本製の良いコンデンサに交換しよう。
       
h ・・・・・・・・・・・・・ ヒューズ系統
(PF801)4Aマイクロヒューズ、(F601)2A250Vヒューズ
      
i ・・・・・・・・・・・・・  トランジスタ、フィルムコンデンサ
(Q808,Q809,Q815,Q816)トランジスタ 2SC5707(互換)
(C826,C824)0.22μFフイルムコンデンサー
トランジスタを交換する場合はフイルムコンデンサーも交換しよう。
ショートしたフィルムコンデンサを用い通電させた場合、両脇のトランジスタも死滅する

j ・・・・・・・・・・・・・  電界効果トランジスタ(FET)
(Q805,Q812)FET FU9024N(互換)
こちらもたまに死んでしまう。

k ・・・・・・・・・・・・・ インバータトランスの本体もしくはその半田浮き
盛り直しを忘れずに。こちらは同モデルでもマイナーチェンジによって使用される個数や部品が異なる。

l ・・・・・・・・・・・・・  電源インレット及び、コイル(画像中央二カ所)の半田浮き
問題ないと自己判断をせずに熱を持つ可能性のある部分での盛り直しを忘れずに。


その他、 アジア圏製造でのモニター機種全般に言えることだがタクトスイッチ、ライトタッチスイッチも壊れやすい。この機種ではパナソニック製横型ライトタッチスイッチ、EVQPC105Kがおすすめされる。

アジア圏製造でのモニター機種でのスイッチ部は熱への耐性が低く、作動寿命数が恐ろしく短い。



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